ホーム > 研修紹介 > 令和5年度 研修概要と実績 > 立法法務 研修概要
自治体経営研修
立法法務
目標 ・研修テーマとして設定された、自治体が直面している重要な政策課題に関する知識やその課題解決のための政策形成と条例作成に関する知識の習得を図る。
・各種情報の収集、活用を行い、地域や組織に潜在する課題を発見し、条例により解決手段を具体化する能力の向上を図る。
・長期間に及ぶ他団体職員との交流により、人的ネットワークの形成と、危機意識や改革意識の醸成を図る。
向上能力 知識・技術、政策立案
対象 原則として在職5年以上の職員で、政策法務能力が必要とされる職員
研修日程 7/24(月)、 8/ 7(月)、 8/21(月)、 9/ 5(火)、 日数 8日
10/ 6(金)、11/ 2(木)、11/14(火)、12/ 7(木) 時間 52:00
実施科目 科 目 名 時間数 科 目 内 容 方  法
調査・研究 48:45 ・自治体の現状と課題
・政策法務論
・グループによる調査、研究、条例作成、報告書作成
講  義
討  議
成果発表 3:15 ・研修成果の発表 発  表
講師 研修所講師
テーマ 食品ロス削減に向けた取組を考える
テーマ趣旨
 我が国においては、まだ食べることができる食品が、生産、製造、販売、消費等の各段階で日常的に廃棄され、大量の食品ロスが発生している。令和2年の食品ロスの量は、年間約522万トンであった。これは、世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた世界の支援量(令和2年における支援量:年間420万トン)の1.2倍に相当する。
 食品ロスの削減を推進するため、「食品ロスの削減の推進に関する法律」が制定され、令和元年5月31日に公布、同年10月1日に施行された。この法律の趣旨及び内容を踏まえ、国は基本方針を策定し、都道府県及び市町村は食品ロス削減推進計画の策定に努めるものとしている。
 国の基本方針では、我が国として食品ロスの削減を推進していくためには、国が実施する施策に加えて、より生活に身近な地方公共団体において、それぞれの地域の特性を踏まえた取組を推進していくことが重要であるとともに、事業者、消費者等にもその役割と行動を求めるとしている。
 また国際連合総会において採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」では、「2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食料の損失を減少させる。」としており、我が国では2030年までに、2000年度比で半減させること(273万トン)を目標としている。
 上記のとおり、地方公共団体においては、食品ロス削減の取組を充実させるとともに、事業者や消費者への働きかけを行うことが期待されており、持続可能な循環型社会を実現する取組が求められている。
 そこで、本研修では、食品ロス対策について、各自治体の先進事例等を参考に様々な視点から考察し、効果的な施策を検討して条例づくりに取り組んでいく。
研修所メッセージ
・設定されたテーマに対して、約4か月、全8回にわたってグループで調査、研究を行い、1つの条例を作成するゼミナール型の研修です。
・主な研修の流れとしては、自治体の置かれている現状と抱えている政策課題を分析し、そこから具体的な政策を考え、課題解決の手段としての条例を作成します。
・条例作成の過程では、立法目的、立法事実を明確にした上で条例の内容検討へと進み、講師から整合性、適法性等の法制面の確認を受けて、条文を作り上げていきます。
・各部署において条例制定が必要になった際に求められる「政策形成能力」及び「立法能力」の向上のほか、「他団体の研修生との強い絆」など日常業務だけでは経験できない貴重なものを得ることができます。
・条例の作成や改正、審査等において必要となる法制執務の基礎的知識を習得する内容については、「例規作成実務科」で学ぶことができます。
参加した研修生の声
【令和4年度の研修テーマ】
ケアラーを支えるまちづくりを考える
【本科生の声】
・作成した成果物に対して的確にフィードバックしていただき、納得して進めることができた。
・自分と違う経験・価値観を持つメンバーと共に議論を重ね、とても刺激になりモチベーションが上がった。
・条例のつくり方のイメージが一通りわかって、実際につくることになった場合もできるような気がしてきた。
・スムーズにいけばちょうど良いが、少し詰まるとタイトなスケジュールなので、もう1日あっても良かった。

【成果発表会参加者の声】
・参照自治体をそのまま倣うのではなく、自分たちが何を大事にするのか、施策展開と並行して条例化することの大切さが感じられた。
・ケアラーを支えるため、ケアを受ける人への支援を増やすことを考えていたが、ケアラー本人を直接支援する体制が必要であるという視点に気付けた。
・両グループでそれぞれ違った、独自性のある条例となっており非常に興味深く思った。
・パブリックコメント等による意見聴取の手続きについては触れられていなかったので、そのような市民参画の視点も盛り込まれていればさらに素晴らしかったと思う。
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