東京都市町村職員研修所
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◆東京都市町村職員研修所研修基本方針


1 社会背景
 市町村を取り巻く社会経済情勢は、少子高齢化、グローバル化、環境・エネルギー問題の深刻化など大きく変化している。住民の行政に対するニーズも高度化・多様化しており、それらに的確に対応すること、さらに、地方分権改革の進展に伴い、市町村の自己決定権と自己責任が拡大する中で、自主性・自立性をもってその責任を果たしていくことが求められている。

2 市町村の人事管理をめぐる現状
 平成9年に策定された「地方自治・新時代に対応した地方公共団体の行政改革推進のための指針(自治事務次官通知)」では、「地方分権の時代にふさわしい総合的な人材育成」を掲げ、同指針を受けて策定された「地方自治・新時代における人材育成基本方針策定指針(自治省行政局公務員部長通知)」では、人材育成の目的の明確化、学習的風土づくり等の総合的取組の推進、人材育成推進体制の整備等とともに、職員研修の充実、多様化を必要な改革であるとしている。
 平成26年5月に公布された改正地方公務員法では、能力及び実績に基づく人事管理の徹底のための「新たな人事評価制度の導入」を求め、より高い能力を持つ人材の育成と組織全体の公務能力の向上を図ることを明確化している。
 変化する時代が、市町村行政の人材育成の強化を必要とする一方、厳しい財政状況や行政改革による定員削減などの影響により、職員にかかる業務負担は増加しており、市町村によっては、職員に充分研修を受けさせる余裕のない状況も見受けられる。
 また、ストレスやハラスメントに起因する病気休職や早期退職など新たな人事管理の課題も顕在化してきており、こうした労働者の心理的負担に対応するため平成26年6月公布の改正労働安全衛生法では、ストレスチェック制度の創設を規定したところである。

3 人材育成の重要性
 市町村を取り巻く社会経済情勢が大きく変化する中で、職員一人ひとりの能力を最大限に引き出し、地域の政策課題や住民の多様化・複雑化するニーズに的確かつ柔軟に対応していくためには、市町村行政を担う職員の資質や能力の一層の高度化がこれまで以上に求められ、人材育成の重要性は益々高まっている。
 このような状況においてこそ、職員一人ひとりが自ら知識や技術の習得に努めることが必要であり、そのためにも研修機会の多様化や研修レベルの向上、研修内容の充実を図るなど、より効果的効率的な研修の実施が職員研修所に求められている。

4 目指す職員像
 東京都市町村職員研修所は、39組織市町村の共同研修機関として、組織市町村の人材育成基本方針等を踏まえ、あるべき職員像を次の通り提示し、職員の養成を目指す。
  @市民感覚で物事をとらえられ、市民に信頼される職員
  Aコスト意識を持ち、効率的に事務遂行をできる職員
  B新しい課題に積極的に取り組むチャレンジ精神を持つ職員
  C高い倫理観・使命感、人権意識を持った職員
  D自己啓発に積極的で、成長し続ける職員
  E組織力の向上に貢献できる職員
  F常に危機意識と改革意欲を持ち、業務に取り組む職員

5 研修の企画、実施
 共同研修実施機関である研修所は、人材育成にあたる組織市町村との役割分担のもと、協力・連携し、市町村が独自に行うことが困難又は非効率であり、共同(共通)で行うことが望ましい高度な研修に加え、前向きに業務に取り組む職員、自らの能力開発に主体的な職員の期待に応える研修を企画、実施する。あわせて、共同研修参加により研修生の人的交流(ネットワーク)が形成され、研修修了後において、人材育成の基本である自己啓発に資することをねらいとする。
 その上で、目指す職員像を踏まえつつ職員の能力向上のために、以下の点を基本として研修を行う。

 ≪基本方針≫
1 職層毎に(新たに)必要となる指導育成力、組織管理力等、組織や仕事のマネジメント能力の向上に資する。
2 各業務の遂行を円滑に行うために必要な専門知識、技術等、業務処理能力の向上に資する。
3 様々な課題を発見し、解決するために必要な課題発見力、情報活用力や政策立案力等、課題達成能力の向上に資する。
4 円滑に業務遂行をするためのコミュニケーション力、プレゼンテーション力等、対人能力の向上に資する。
5 メンタルヘルス等に関する自己管理能力の向上に資する。


 以上の方針に基づき、各年度の研修は、別紙の「研修実施計画」に従い実施する。